仕事のやりがいと給料、どちらを優先する?
アパレルの仕事を希望する理由
現在アパレル販売の仕事をしている方は、なぜこの仕事に就こうと思いましたか?
きっとほとんどの方は「服が好きだから」という理由ではないでしょうか。この業界はそういった動機で働き始める人がとても多いですね。これは他の仕事ではなかなか無いことだと思います。
例えば女性が多い仕事の一つに事務がありますが、事務や経理の仕事をしている方にも「この仕事が好きだから選んだ」という方はいるでしょう。
しかし、事務の仕事が好きな理由としてよく言われるのは
- デスクワークが良いと思ったから
- 接客業は嫌だから
- データ入力や伝票を書いたりするのが好きだから
- 細かい計算が好きだから
などで、これらはアパレルで働く人が言う「服が好き・ファッションが好き」とはちょっと違う気がします。
それに事務を希望するのは、事務職が好きだからという方よりも
- 定時で帰れる(残業が少ない)
- デスクワークは楽そう
など、仕事内容そのものよりも「待遇や条件に魅力を感じているから」という方の方が多いのではないでしょうか。
(実際は決算など大変なこともたくさんありますが)
ですから例えば事務職で給料月5万、毎日残業ありで月に4日しか休みがないという過酷な条件の求人があった場合、よほどの理由でもない限り「それでも事務の仕事がしたいから応募する!」という方はほとんどいないと思います。
しかしアパレルの場合は、給料度外視でも勤務希望する方が少なくないんですよね。さすがに月5万円の給料では厳しいでしょうけど、超人気ブランドの求人だとしたらもしかすると応募する人もいるかもしれません。
つまり、アパレルは他の仕事に比べて仕事のやりがいを優先する人が多いという事です。
実際アパレル販売の仕事って給料は決して高くありませんし、商品を購入しなくちゃいけないから経済的にはかなり苦しくなります。それにショップによっては残業も多いです。
それでもアパレルの希望者が多いのは、それだけ仕事自体に魅力を感じる方が多いということなんです。
アパレルのやりがいと現実的な問題
しかし実際には念願のアパレルの仕事に就いたものの、経済的な理由から転職を希望する人が多いのも事実です。
好きな仕事が出来るというのはとても素敵なことですが、現実的に生活していくにはお金が必要なんです。やっぱり仕事と給料は切っても切れない関係なんですよね。
ただアパレル販売の仕事だって無給で働くわけではありません。少ないとはいっても月に12万円~18万円程度(地域によって差があります)のお給料はもらえるわけですから、何とか生活しようと思えばできなくはないんです。
一人暮らしが難しければ実家にいさせてもらえばいいし、毎月の洋服代やお小遣いが足りないなら単発バイトやダブルワークをすればいいですよね。実際にアパレル販売員の中には夜にキャバクラなど水商売で働いている人もいます。
正社員で働いていると副業は難しいかもしれませんが、着なくなった洋服をネットオークションで売ったりして小銭を稼ぐことはできると思います。
結局のところ、アパレル販売員として働き続けられるかどうかは
「友達や恋人との交際費を削ったり、食費や光熱費をぎりぎりまで切り詰めたり、体力的に辛くても仕事を掛け持ちしたり…そういった事に耐えてまでアパレルの仕事をしたいかどうか」
という一点にかかってくるのだと思います。
思い切ってアパレルに転職してみる
仕事のやりがいとお金、どっちを取るのかは人それぞれの考え方もありますし、その人の置かれている状況によっても変わってくるでしょう。
現在別の仕事に就いていて、アパレルで働けば給料がだいぶ少なくなっちゃうけどどうしてもやりたいから転職しようかどうか悩んでいる…という方もいらっしゃると思います。
元々アパレルで働きたかったけど経済面を取って別の業界に就職したという人は多いです。しかしこうしてやりたかった仕事を蹴って違う職に就くと、なにか仕事で嫌なことがある度に
「やっぱりあの時あの仕事を選んでおけば良かったな」
「本当はこんな仕事やりたくないのに」
と、いちいちそれを言い訳にしてしまいがちです。
そんな風にいつも後悔しながら働くくらいなら、いっそのこと生活が苦しくなることも承知の上でアパレルを選んでみるのもアリなんじゃないでしょうか。
実際に大学卒業後一般企業に就職したものの、どうしてもアパレルへの気持ちを諦めきれなくて転職を希望する方も結構いるんですよね。しかし20代前半ならともかく20代後半~30代で未経験となると、希望条件に合ったブランドに就職するのはなかなか難しくなってきます。
ですからどうしてもアパレルで働いてみたいのなら、就職しやすい若いうちに経験してみるのがいいかもしれません。やっぱり経済的に苦しいから別の業界に転職したいとなっても、転職するなら少しでも若い方が有利ですから。
経済的な理由で転職するのはしょうがない
一方で、現在の困窮した生活に耐えられないというアパレル販売員の方は他の仕事への転職を考えた方がいいかもしれません。
というのも、本当にこの仕事が好きだという方はいくら生活が苦しくても「他の仕事に転職しよう」とは思わないんですよね。お金がなくて趣味や交際費に回せなくなっても、そのせいで生活が仕事一色になってしまっても、本当に仕事が好きな人ってあまりそれを苦には思わないものです。
もちろんお金が原因で転職する方を「本当は心からアパレルが好きではなかった」とは言いません。本当にアパレルが好きでも生活が出来なければ働き続けるのは無理ですし、借金してまで働き続けるのが正解だとは思わないからです。
もし仕事の楽しさよりも生活の苦しさの方が上回ってしまっているのなら、アパレルは趣味の範囲で楽しむことにするのはどうでしょうか。好きなことを仕事にできなくても、趣味として続けていくことはできます。他の仕事に就いていてもファッションを楽しむことはできますよね。
給料の良い職場で働くことができれば結構な額を洋服代に回すことができるでしょうし、服代以外にも恋人や友達と飲みにいったり、旅行に行ったりするのにもお金を使う事ができます。貯金もできます。
お金がない生活って色々と制約があって苦しいですよね。「好きな事が仕事」という生活は幸せですが、「お金に余裕がある生活」も幸せな事です。
仕事に重点を置くのではなく、プライベート重視で生きるというのも一つの選択肢だと思いますよ。
本当に転職しちゃって大丈夫?
結局仕事のやりがいと給料のどちらを優先するかは自分が決めることですから、今の仕事を続けるにしても転職するにしても、行動に移す前によーく考えてみてからにしてくださいね。
現在アパレル販売員の方が異業種に転職を検討している場合は、
- 仕事の楽しさより貧乏の辛さの方が大きくなってないか
- 今の仕事を続けながら収入を増やす手段はないか
- 別のショップに転職することで給料アップはできないのか
といった点をよく考えてみてください。
異業種からアパレル販売の仕事に転職を検討中の方は、
- 収入が減っても生活できるのか
- ファッションは趣味の範囲で満足できないのか
- 本当は今の仕事を辞めたいだけじゃないのか
などをもう一度じっくりと考えてみてください。
転職するかしないか…どちらを選択するにせよ、一度きりの人生ですから後悔のないようにしてくださいね!
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